今回は、こんな不安を解消します。

「クラウドソーシングや業務委託などで所得があるけど、税金周りがまったくわからない...」
「確定申告はどうするの?扶養から外れないためには?」
パターン別にまとめたので、自分がどこに当てはまって、何をするべきなのかを確認してみましょう!
①フリーランスの税金の基礎知識
②大学生フリーランスの注意点とは?
③確定申告や扶養範囲内の上限について【パターン別まとめ】
フリーランスの税金の基礎知識!

まずはよく聞く用語について簡単におさらいしてみましょう。
確定申告ってなに?
「1/1〜12/21までの自分の所得税を自分で計算して、税務署に申告すること。」が確定申告です。
アルバイトやパートの場合、勤め先が年末調整という形で処理してくれていることがほとんどなので、やったこと無いという人がほとんどだと思います。
しかしフリーランスで仕事をする場合、所得の計算や確定申告はすべて自分で行う必要があります。
この記事の最後ではおすすめの会計ソフトも紹介しているので、ぜひ最後まで読んでください。
控除ってなに?
「所得から一定の金額を引いて課税所得を減らせるよ」という仕組みが控除です。
控除には様々な種類がありますが、まずは基本となる「基礎控除」と「給与所得控除」について見ていきましょう。
基礎控除
2020年1月以降の基礎控除額は以下の通りです。
個人の合計所得金額 | 控除額 |
---|---|
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円 |
年間所得2400万円以下の人は48万円の基礎控除を受けられます。
給与所得控除
2020年1月以降の給与所得控除額は以下の通りです。(令和2年分以降)
給与等の収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額) | 給与所得控除額 |
---|---|
180万円以下 | 収入金額×40% (※55万円に満たない場合には55万円) |
180万円超 360万円以下 | 収入金額×30%+8万円 |
360万円超 660万円以下 | 収入金額×20%+44万円 |
660万円超 850万円以下 | 収入金額×10%+110万円 |
850万円超 | 195万円(上限) |
こちらは少しわかりにくいですが、要は年間給与所得55万円を超えなければ55万円全額が控除されるということです。
フリーランスはいくらから確定申告が必要?
まずはフリーランスの定義から確認。
結論から言うと、確定申告が必要な条件は以下のとおりです。
専業フリーランスの場合、「受けられる控除によって変わる」
控除の種類は人によって受けられるものがたくさんあり、紹介しきれないほどのパターンが有るので、全員が平等に受けられる基礎控除48万円のみを適用して考えます。
はじめに、その年(1月1日~12月31日)の売上(収入)を合計します。
ここでは、合計100万円の売上があったとしましょう。
売上:100万円
ここから事業に使った経費を50万円だとして引きます。
所得:100万円 - 50万円 = 50万円
ここからさらに基礎控除48万円を引きます。
課税所得:50万円 - 48万円 = 2万円
この場合は課税所得が2万円なので確定申告が必要です。
もしも課税所得が0円以下なら確定申告は必要ありません。
兼業フリーランスの場合、「給与所得以外で20万円を超えたら」
給与所得以外での所得(収入 - 経費)が20万円を超えると、確定申告が必要です。
同じように、その年(1月1日~12月31日)の売上(収入)を合計します。
ここでは、合計50万円の売上があったとしましょう。
売上:50万円
ここから事業に使った経費を20万円だとして引きます。
所得:50万円 - 20万円 = 30万円
この場合は副業での所得が20万円を超えているので確定申告が必要です。
大学生フリーランスの注意点とは?

完全に独立しているフリーランスと違って、大学生や主婦フリーランスならではの注意点があります。
それは扶養です。(簡単にいうと誰かに養われている状態。)
学生を例に見てみましょう。
多くの学生は親の扶養に入っていることがほとんどですね。
あなたの親はあなたを養っていること(扶養親族がいる事)によって所得の控除を受けています。

親族を養ってて偉いね〜、所得から控除してあげる!
しかし、もしあなたに養われる必要のないほどの所得があったらどうでしょう?

そんなに所得のある人を養っているとは言えないよね、
控除適用されません!
その場合、あなたは扶養から外れてしまい、親は今まで受けていた控除が受けられなくなります。
知らないままで稼ぎ過ぎた場合、損するのはあなたを養ってくれている人になるので注意しましょう!
じゃあどこまでなら扶養範囲内なのかを見ていきます。
フリーランスの扶養と所得控除額【パターン別まとめ】

それではフリーランスが扶養範囲内で稼げる金額をパターン別に見ていきましょう。
開業届を出さない場合
まずは開業届を出さない場合を見ていきます。
アルバイト収入のみの場合
もしあなたがアルバイトやインターンなどの給与所得のみの場合、基礎控除と給与所得控除が受けられます。
いわゆる普通のバイトのみをしている大学生の多くはここに当てはまりますね。
基礎控除48万円 + 給与所得控除55万円 = 合計103万円の控除
給料の合計が103万円までなら、扶養範囲内となります。
アルバイト収入 + それ以外の収入の場合
アルバイト収入があり、かつそれ以外(クラウドソーシングや業務委託)での継続収入がある場合は注意が必要です。
受けられる控除は先程と同じですが、注意点があります。
基礎控除48万円 + 給与所得控除55万円 = 合計103万円の控除

なんだ〜、さっきと同じじゃん。
給料とそれ以外の合計で103万以内にすれば良いんでしょ?
そうとは限りません!
分かりにくいので例を出して見てみましょう。
Aくん:アルバイトなどの給料が年間50万円
クラウドソーシングや業務委託での所得(収入 - 経費)が年間50万円
所得の合計は100万円で103万円は超えていませんね。
この場合、Aくんの給与所得は50万円 - 給与控除55万円 = 0円とみなせます。
その他の所得が50万円あるので、合計の所得は0円+50万円 = 50万円となります。
この場合、基礎控除額の48万円を超えているので、扶養から外れます。
上記の例のように合計所得が103万円以下でも、扶養から外れる場合があります。
バイト兼フリーランスで扶養を外れないようにするには以下の式を満たすように調整しましょう!
(給与所得 - 給与所得控除55万)+(事業所得)< 基礎控除48万円
事業所得だけの場合
あなたが事業所得のみの場合、受けられる控除は基礎控除のみになります。
基礎控除48万円 = 合計48万円の控除

バイトを全くしない場合、それ以外の収入は48万円以内じゃないと扶養から外れちゃうのか...
この上限を増やす方法があります。
それが「開業届を出して青色申告をすること」です。
これを行った場合、どうなるかを見てみましょう。
開業するなら『開業freee』を使うのがおすすめ!
実際に使ってみて、無料&5分でかんたんに書類が作成できました。
開業届を出した場合
次は開業届を出して正式に個人事業主となった場合です。
事業所得のみ
開業届を出した場合、申請を行えば青色申告という方法が行なえます。
青色申告には事前の申請が必要ですが、これを行うことで特別控除が受けられます。
- 白色申告:基礎控除(48万円) = 合計48万円
- 青色申告【単式簿記】:基礎控除(48万円) + 控除(10万円) = 合計58万円
- 青色申告【複式簿記】:基礎控除(48万円) + 控除(55万円) = 合計103万円
- 青色申告【複式簿記かつ一定の条件を満たす】:基礎控除(48万円) + 控除(65万円) = 合計113万円
※青色申告65万円控除の条件に関しては以下の記事が参考になります。

また、青色申告をするためには、その年の3月15日まで(新規開業する場合は開業から2ヶ月以内)に申請が必要です。
開業freeeなら開業届と同時に青色申告申請書も簡単に作成できるのでおすすめ。
アルバイト収入 + 事業所得の場合
開業届を出したことで、青色申告が使えるので控除額もそれに応じて増えることになります。
受けられる控除額は給与所得控除55万円、青色申告控除額10万 or 55万 or 65万円なので以下の式を満たすように調整しましょう!
(給与所得 - 給与所得控除55万)+(事業所得 - 青色申告控除額10万 or 55万 or 65万)< 基礎控除48万
フリーランスにおすすめの会計ソフト!
ここまでフリーランスの確定申告や扶養範囲内について解説してきました。

仕組みはわかったけど、簿記なんてできないよ...
こんな人のために「会計ソフト」というものがあります。
(というより、殆どの人が使ってると思います。)
会計ソフトを利用すれば、レシートの写真を取るだけで自動で帳簿を作成してくれます。
しかも、青色申告の控除額を増やす条件である複式簿記の形式です。
会計ソフト弥生シリーズ
おすすめ度:
弥生シリーズの特徴はデスクトップアプリ型があるところです。
月額課金制では無く、買い切りで動作も速いのがメリットですね。
弥生のトップページからオンラインストアと進むと、デスクトップ版を購入できます。
(ただし原則macOSでは使えないので、その場合はクラウド版を利用しましょう!)
会計freee
おすすめ度:
会計ソフトfreeeでは電子申告(e-Tax)の準備が簡単であることがメリットとして挙げられます。
e-Taxでの青色申告は2020年1月より65万円の青色申告特別控除の条件になっているので、節税対策にもなります!
また、この記事で紹介した開業freee等と同じ系列なのでかなり使いやすいです。
マネーフォワードクラウド
おすすめ度:
マネーフォワードのメリットは補助科目機能がついている所!
補助科目とは、同じ勘定科目でも何に使ったかを仕分けて集計できる機能です。
これは実際に使わないとわかりにくいと思いますが、スッキリと集計できるのでおすすめです。
クラウド型のメリットであるネットバンクやクレジットカードとの連携も便利ですね。
筆者もこれを使っています。
最後に
この記事ではフリーランスの税金の基礎知識や扶養に関して解説しました。
体系的に税金や確定申告の知識を付ける場合は書籍を買ってみるのもアリですね。
以下の書籍もマンガ形式、かつ初心者むけでかなりわかりやすくておすすめです!